2015年の「マンガ大賞」受賞作品
きっと誰もが心のかたすみに、ひそかな後悔を抱えて生きているーー。二度と取り戻すことができない、記憶の彼方に追いやっていた痛み。漫画家・東村アキコさんの「かくかくしかじか」は、そんな感情がぐらぐらと揺さぶられる自叙伝的作品です。これを単に「泣ける!」なんて、言いたくない。(まあ、実際泣きましたけど)
2015年の「マンガ大賞」を受賞したことでも、注目を集めましたね。
歳を重ねてきた今だからこそ、読んでほしい作品
東村アキコさんは、育児マンガ「ママはテンパリスト」や、映画化もされた「海月姫」などを代表作に持つ人気マンガ家。しかしこれらの作風とは一線を画すのが、「かくかくしかじか」です。絵を描くのが好きだった一人の少女が、さまざまな出会いを通して漫画家になるまでの半生を描いた、この作品。これまで、何かを目指してがんばってきた30〜40代の人には、ぐさりとささるシーンが山ほどあると思います。
ちなみに編集担当・大島の号泣ポイントは「最終巻(5巻)の表紙」。いや、冗談ではなく本当に、4巻まで読んでこの表紙見たら泣きますよ。うっかり電車の中などで読まないように、お気をつけください。
東村アキコ:作/集英社,2012-2015