15人それぞれの「10年」を、かみしめるように味わう本
何かをはじめるためには、勇気がいるものです。一歩を踏み出す勇気と、ほんのちょっとの勢いと。でも、本当のスタートはそこから。「はじめる」ことよりも、さらに難しいのが「つづける」ことですよね。何年もママプレナー®として活躍されている方は、特にその大変さをご存知なのではないでしょうか。
この本は、筆者である井川直子さんが15人それぞれの「10年」を振り返り、それを丁寧に綴った記録です。20代で新たな道に飛び込み、シェフを目指して仕事を「はじめた」15人。若くしてスタートを切った彼らは今、一体どうしているのか。
求めること、そしてそれを「つづける」こと
“「求める者に、道は拓ける」
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レストラン乱世の時代にシェフとなった彼らに共通するのは、まず、求めたこと。そして、求めることを「つづけた」ことだと思う。
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彼らは何万分の一の確率でシェフになったが、天才でも特別な人でもなく、つづけられた人たちだったということ。”
(あとがきより)
この本で描かれているのは、料理の世界に道を求めたシェフたちのものがたり。でも彼らが語ることばの一つひとつは、他の仕事や生き方、働き方にも通じるものだと思います。
15人の人生を一気に読み切るもよし、1人ずつかみしめるように味わうもよし。
目の前にことに追われがちな日常から離れて、ときには自分の「10年後」を静かに見つめる時間をつくってみるのもいいかもしれません。
井川直子:著/ミシマ社, 2015年