Q1 : 事業を始めようと思ったきっかけは?
大学在学中に、起業家・孫泰蔵氏の最初の会社立ち上げに関わった縁で、その後Yahoo! JAPAN立ち上げメンバーとして入社、高額のストックオプション権を得るも「お金では幸せにならないみたい…」と権利を返上。その時に考えたのが「ではどうやったら幸せになるのか?」ということでした。ゼロから「くらし」というものをつくってみようと、言葉もわからないスペインに移住しました。移住後に、自分自身を見つめ直す機会を持ち、一番やりたい事「文章を書いていく」という答えが出ました。とにかく始めてみようと自分のウェブサイトに書いていたところ、コピーライターの糸井重里さんから「うちで掲載しない?」と声をかけられました。その後スペインでは10年間、糸井氏の「ほぼ日刊イトイ新聞」他でフリーライターとして活動をしたり、スペインの大学で思想学を学んだりしながら「個人が生きる幸せ」を考え、実験してきました。
永住権も得たのですが、出産と育児を経て、3歳の娘とともに帰国しました。そこで出会った日本のママたちの自己肯定感の低さに衝撃を受け「こんな私でも大丈夫なのだから、あなたはもっと大丈夫」と伝える場、そして私自身にも参加者さんにも内なる可能性を開花させる「学びと実験の場」となることを願って、2013年神戸に「生きる知恵と力を高める リベルタ学舎」を設立しました。リベルタ学舎では「すべてのこどもが未来に希望をもてる社会」を理念に、そのような社会のつくり手を創出するための各種講座を、神戸・芦屋・西宮を拠点に開催。すべての講座が子ども連れで参加可能で、主婦など女性を中心とする受講者は、年間のべ約1,000人です。2016年より、主婦などを中心としたチーム制シェアワークによる仕事づくりをスタート。2017年8月、地域のフリーランサー・企業・行政などが一緒に仕事をつくっていくプラットフォーム「未来なりわいカンパニー」をスタート、同時に神戸市中央区にシェアワークスペース「コミューン99」をオープン。現在、「みんなのなりわい(仕事)づくりを支援することを、なりわい(仕事)にする」という、実験をしています。
学んで、実験して、また学ぶ。私自身がやってきて楽しかったことを、今やってみたいみんなで、それぞれが自分の可能性を開花させるためにやっている。「何業」なのか自分でもわかりませんが、そんな場を用意することは、現在の日本では、よく「社会教育業」と言われます。
>なぜ今の場所を選ばれましたか?
神戸を選んだのは「なんとなく」(山と海と街があってヒューマンスケールで、居心地良さそうだから)です。20年ほど遅れましたが、実は95年の地下鉄サリン事件、2004年マドリード列車爆破テロ事件で、ともにすぐ近くの現場にいながら・・・」そんな自分のダメさをずっと感じていました。それらの原点として、同じように「何もできなかった・・・」「あの阪神淡路大震災の神戸に戻ってきたかったのではないか・・・」とも、実はすこし考えています。
Q2: 事業を始めるに当たって、知識などはどのように集めましたか?
①やってみて、足りない知識に気づきました
②詳しい人に聞きにいって、教えてもらいました
③書籍で学びました
(いまもその繰り返しです)
Q3: 事業を始める事を決めてから実行するまでの間に、不安や葛藤はありましたか?
ありませんでした。不安を感じる前に、行動しちゃっていますね!「目の前に、(そうでなくてもいいのに)不幸なひとがいる! 自分のなかに生きる知恵と力があるんだってこと、思い出してもらわなくちゃ!」という勝手な焦り。「いま・ここで私がやらずに、誰がする!」という強い思い込みでスタートしましたので、実行までに不安や葛藤を感じている暇はありませんでした。「とにかくやってみないと気が済まない」、自分の性格かと思います。
Q4: 事業を始めて、最初の仕事について教えて下さい
最初は、100人が集まる開講記念講演からの、「いざというときに命を守る」親子向け応急処置ワークショップでした。それまで属していた地域コミュニティー(合気道道場、保育園)の友人たち、が開催から集客まで力を合わせてくれました。
Q5: 事業に関して相談する相手はいますか?(メンターやアドバイザーなどの存在)
ありがたいことにたくさんおりますし、お仕事として関わって頂くために、業務内容と謝礼を決めて、ひとつずつ契約を結んでいます(コンサルティング)。そのほかに、同じような経営者仲間や先輩にも恵まれています。本当にありがたいです。ちなみに、起業や経営に関しては、大学から商工会まで“教える”立場でもあります。それでも、まだまだ学ぶことの方が多いです。
Q6: 家族の協力は?
私は、起業をしたことがきっかけで、離婚に至ったと思います。夫婦あるいは友人で共同経営をする場合は、ビジョンの共有の他に、どちらが経営者でありどちらが責任をもつのかなど、一般的な経営と同じ内容を事前にしっかり共有しておくことが、あらためて大切だと思いました。なお、娘には、仕事の事情はすべて話しています。
Q7: 自己資金は幾らくらい準備しましたか?
ゼロです。全額借入です。
Q8: 今までどのようなお仕事をされてきたのか、教えて頂けますか?
フリーライター、翻訳家、コラムニスト。その後、子供服輸入でパートナーと起業。
Q9: 1日のスケジュールについて教えてください
お仕事のある1日…
Q10:事業を継続するにあたり、必要と考える要素3つ教えて下さい
①正直=自分ができないことを、正確に把握して頭を下げ切ること
②親切=世界中のひとが幸せになることを、本気で考え抜くこと
③愉快=「大変だねえ」と言われて「え、どこが?」と返せるくらい、自分がやりたいことをやっているという深い確信から、湧き出てくる楽しさを感じ尽くすこと
Q11: これからの目標について教えてください
「明日生きて目が覚めること」が、唯一の目標です(というか願い)。あとは「遊び」ですね!(笑)
Q12: 普段持ち歩いているカバンの中を見せてもらってもいいですか?
夢と希望!(笑)必ずPCと通信機器(亀のバッグの中)・スマホと電話は2台もち・ガスの払込票や、ムスメの「冬休み明け日程」小学校配布プリント ・なにか1冊、読みかけの本(いまは『エンデの遺言』でしたー)・お洒落な袱紗(とっさの支払い用)・手ぬぐい
湯川さん、有難うございました!!!